前回日記
2006年9月15日(金曜)
きのうの 続き!







・・・・・・・・・・・・・・と、その前に、











そこの 台風13号!
















曲がるんじゃねえっ!























・・・・・・・・・・・・・・・・それはともかく、











昨日の続きの読書感想文を、書かせていただきます。






『オバケヤシキ』(光文社)





井上雅彦さん監修の、『異形コレクション』の 1冊。






もういちど、「Amazon」 へのリンクも付けときます。








桜庭一樹 「暴君」 からでした。





・・・・・・・・・この作品、結論から言うと、






めがっさ、面白かった!










・・・・・・・・・・・・いちおう 念のために書いておきますが、


すでに皆さん、おわかりの通り、

わたくし、ムダに 大げさ です!




・・・・・・・・・・なので、

各自、マイナス方向バイアスかけて、お読みください。







あ、さて、


桜庭一樹さん「暴君」 ですが、




この方、なんでもライトノベルで活躍されている方だそうで、

なるほど、いかにもそれらしい、軽くて、疾走感あふれる文体が、

脳みそに、じつに心地良く、流れ込んできます。




また、その軽さの向こうに、

なんとも、言葉に置き換えることのできないような、

ヌドヌド とした、空気感?



空気中の、粒子と粒子の隙間に、ポッカリと 開いている、

不吉な何処かの存在を 感じさせてくれる、って〜〜のは、



・・・・・・・・・・・ちょっと ホメすぎかな???







話は、べつに ストレートな怪異が 起こるわけではありません。




ヒロインで 語り手の、「金堂翡翠(こんどう ひすい)」

12歳の中学 1年生。

たぶん きっと、美少女(?)




その親友の、「田中紗沙羅(しゃさら)」

と〜〜ぜん、同い年。




・・・・・・・・で、この娘が、すごい!




以下、原文のまま、引用します。


まずかったら、消します。




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真っ白な雪のような肌。

大きな瞳に、長い睫毛。

整った目鼻立ち。

横幅は少女二人分。

巨漢の美少女。



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この娘が、とにかく魅力的!


オデブちゃんには、まったく反応しないはずの オイラが、

萌えまくっております!




もし、この短編を、10代の頃に読んでたら、

今ごろ、デブ専になってたかもしれん!?




カリスマ肌ってんですか?

「悪の文学サークル」なんてもんを主催していて、

こんな イカしたセリフを、かましてくれます。




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「うん。愚民の子は愚民。

でもいまは、罪っぽい本を読んで、無駄ににやにやしようぜ。

そのための子供時代だ」



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・・・・・・・・・・いや、いいなあ!



もし、オイラに娘がいたら、

これくらいのセリフ、さらっと言えるような少女に育てたいものですよ!




・・・・・・・・・・・とはいっても、


「悪の文学サークル」は、話には まったく関係ないんですけどね。





んで、物語は、

彼女らの、小学校時代の同級生の少年が、

お腹に出刃包丁を 突き立てられているところを、

この2人が 発見するところから、始まります。



そして 始まる、いつもと変わらない、

でも、微妙にずれていく日常。



日常では ありえない、立ち回りも あったりするんですが、


・・・・・・・・・・・それはともかく、




いいです、ほんとに!




「カミュ」の、『カリギュラ』 の引用も、効いてる!





に憧れ、を宿す、少女という器。





この作者の ほかの作品も、読んでみたくなりましたよ。











はい、つぎつぎ!





山下 定 「テロリスト」





どこぞの国のサイキック部隊が、

生物化学兵器を持ち込んだテロリストを追って、

遠隔透視で、潜伏しているとみられる 古い館に “潜入” したところ、

テロリストたちの目的は・・・・・・・・・・・




これ、映画にすると 面白いんじゃないかなあ。



いくらでも、話をハデに膨らませることが 出来そうですよ。













大槻ケンジ 「ロコ、思うままに」




今回、いちばん驚いたのが、この作品!



だって、大槻ケンジ兄イですぜっ!



てっきり、ライトノベル調の、

スピード命!グロ話だとばかり・・・・・・・・・・







・・・・・・・・・・・・・・・・・違いました。





さびれた「お化け屋敷(見世物小屋の方ね♪)を舞台に、

詩情あふれる幻想談を、

瑞々しくも 爽やかに、語ってくれます。





読後感が、いいんだ!














ほい、つぎつぎ!





井上雅彦 「彼と屋敷と鳥たち」




主催者自身による、ショートショート3篇。


さすがに、切れのよいものを、読ませてくれます。










朝松 健 「邪曲(よこしま)回廊」





幼い日の、「一休さん」 を主人公にした、

歴史伝奇絵巻の一篇!



この人の短編は、ほんと、好きだなあ!


史実の膨らませかた、着想の妙、

もう、最高です!





話は、「一休さん」が、先輩の小坊主たちのイジメにあって、

夜中に、客人に を届けるように、言いつけられる。


まあ、早い話が 肝だめし なんですが、


持たされたが、因縁のあるものだったために、

リアル肝だめしに なってしまう、というお話。














・・・・・・・・・・・・・・・ああ、やっと 最後の話だ。






丸川雄一 
「轆轤首(ろくろくび)の子供」






この作品、なんでも一般公募で選ばれたのだそうだが、



素晴らしく、いいです!





田舎の、

ひなびた温泉街に佇む「お化け屋敷(見世物小屋の方です)



そこに捨てられていた 赤ん坊を、

お化け(役者)たちは、愛情こめて 育てます。




叙情的で、微笑ましくもある前半、



そして、スケールの大きな展開に、

驚いてしまった後半。





ネタバレになりそうなので、なんも 書けないんですけど、



ラスト、感動しました。








あえて、たとえるならば、宮崎 駿さんの作品かな?





善悪を、突き抜けた向こうにある 清浄な感覚












・・・・・・・・・・・・・うまく 言えません。




















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・というわけで、







この短編集の、オレ的ベスト作品は、





大石 圭 「幻臭」




桜庭一樹 「暴君」




丸川雄一 「轆轤首(ろくろくび)の子供」






・・・・・・・・・・・・・・の、3本 です!

















・・・・・・・・・・・・・・ちゃんちゃん♪

















・・・・・・・・・・・・・それでは、




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